中国の大都市に猛烈な勢いで増えているカフェ。従来、「中国はお茶文化。中国人はコーヒーは飲まない」、「中国のコーヒーは高い、まずい、薄い」といわれていたが、昨今、街角を歩いてみると、あちこちにおしゃれなカフェが出現している。そんな中、2017年12月にオープンして話題となった『スターバックス リザーブ ロースタリー シャンハイ』を訪れてみた。同店を見て、改めて中国にコーヒー文化が根づき始めていることを実感した。
そびえたつ巨大ロースター
「おススメのコーヒーはどれですか?このコーヒー豆なら、どんな飲み方がいいの?」
私の隣に座った30代後半くらいの男性が熱心に店員に話しかけている。詳しいコーヒー豆の説明は横で聞いていてもよくわからなかったが、男性はその店員にいろいろ質問したあと、1杯のコーヒーを注文した。隣に座る同世代の妻も同じものを注文。コーヒーにちょっと詳しそうな若い夫婦は、店内の雰囲気も含めて、その深い味わいを楽しんでいるように見えた。
上海の中心地、地下鉄「南京西路」駅の11号出口を出てすぐの場所にある世界最大のスターバックス。同タイプの「ロースタリー」はアメリカ・シアトルに続いて世界で2店舗目。開業から1年以上が経った1月の平日の午後、同店を訪れてみた。外に行列はできていないが、店内に入ってみるとものすごい人で熱気がムンムンしている。同店は面積が約2800平方メートル(2フロア)もあり、一見したところ、東京で見かけるスタバと同じ店とはとても思えない。
入ってすぐのエリアではスタバグッズの販売があり、右手の奥には黄金に輝く巨大なロースター(焙煎機)がそびえたっている。左手の奥にはイタリア発のベーカリーがあり、たくさんのパンやケーキ、チョコレートが並べられていた。焙煎したコーヒーの香りとパンの香ばしい香りが充満しているのと、大勢の人だかりで、まるでアミューズメント施設にいるかのような雰囲気だ。