前向きに読み解く経済の裏側

2019年3月25日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

詐欺にはくれぐれも注意

 若者は、詐欺師のターゲットになりやすい。警戒心が薄いからだ。中年になると、若者より金は持っているが、自分が騙された経験があったり知人が騙された話を聞いたことがあったりするので、警戒心が強く、騙しにくいのだ。

 詐欺に遭わないためには、常に警戒心を持っていることが重要であるが、私が強調したいのは、「相手の立場に立って考える」ということだ。仮に君が「絶対儲かる投資の話」を知っていたとしたら、見知らぬ若者に教えてあげるだろうか? 教えてあげないはずだ。そうだとすれば、君に絶対儲かる話を教えてくれる人は、よほどのお人好しか詐欺師だろう。

 余談であるが、「相手の立場で考える」というのは、ビジネスの社会でも役に立つので、覚えておいて欲しい。「ライバルが何をされたら一番困るか」「どういう品揃えをすると客が衝動買いをしたくなるか」といったことを、ライバルや客の立場に立って考えてみるのである。

高金利の借金は怖い。リボ払いやキャッシングに注意

 奨学金と住宅ローン以外の借金は、本当に必要な時だけにしよう。友達からの借金は、人間関係を壊す場合が少なくないので、財布を忘れた時に電車賃を借りる程度は構わないが、それ以外は絶対に避けよう。

 反対に、友達に金を貸すのもやめよう。それで友達を失ったという話は数多く耳にしているので。もしも友達に金を貸したいなら、形式は貸出でも、心の中では困っている友達にカンパしよう。つまり、返ってくる事を期待しないということだ。それなら、返って来なくても友人関係は損なわれないし、返ってくればそれに越したことはないのだから。

 借金で怖いのは金利だ。「消費者金融は高金利で怖い」と思っている人は多いだろうが、カードローンやクレジットカードのリボ払いも、同じくらい高金利で怖いものだ。

 「1万円借りても毎日の利払いは5円だけです」と言われると気楽に借りたくなるが、毎日5円の金利を支払い続けると、1年間で1825円、10年間で18250円プラス閏年分の金利を支払うことになるのだ。

 もちろん、「明日までに手術代金を払わないと親が病気で死んでしまう」という状況であれば高金利でも借金をすべきだが、それ以外の場合には高金利の借金は極力避けるべきだろう。

保険は本当に必要かを考えて

 「社会人になったのだから、一人前の大人として生命保険くらい加入しておかないと」などと言われて、生命保険に加入する新入社員が多いと聞くが、本当に保険に加入する必要があるのだろうか。

 万が一、独身の新入社員が死亡したとして、悲しむ人はいるだろうが、路頭に迷う人がいるだろうか。親を養っている新入社員は別として、そうでない限りは生命保険は不要だろう。

 生命保険というのは、客が払った保険料の中から保険会社のコストや利益が出ているわけだから、客全体としては損をしているわけだ。それでも生命保険に加入する必要があるのは、「自分が死んだら路頭に迷う人がいる」という場合だろう。「何となく加入しておくと安心だから」という事で加入するのはやめておこう。

困った時は188番に相談しよう

 学生時代は、困ったことがあったら学生課に相談すれば良かったが、これからは犯罪は110番に、火事や急病は119番に、金のトラブル等は188番に電話しよう。

 188番は、消費者ホットラインと呼ばれるもので、電話をすると、身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を紹介してくれる、頼もしい存在だ。「イヤや!」と覚えておこう。

 以上、卒業式にふさわしく無いことを色々と述べたが、最後にもう一度「卒業おめでとう」と言っておこう。君たちの人生が素晴らしいものであることを祈っている。

  
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