“強制給餌”、女性活動家に対する監獄での残酷な処置
承前。ロンドン市博物館の婦人参政権運動(Suffragette)のコーナーを更に進むと絵日記が展示されていた。女性が刑務所で拷問を受けているような惨たらしいスケッチが描かれている。
オリーブ・ワー二―(1890~1947)という婦人参政権運動家は1911~1914年の間に7回投獄されている。この絵日記は“獄中絵日記”だったのだ。
刑務所の拷問のようなスケッチの解説は以下のようであった:
当時獄中の女性活動家はしばしばハンガーストライキで抵抗した。当局はハンガーストライキにより獄中死して婦人社会政治連盟への同情世論が広がることを恐れた。そのため筒状の給餌器で女性活動家の喉から胃袋に強制的に流動食を流し込んだのである。フォアグラを採るためにアヒルに餌を与えるのと同じ方法である。ちなみにパンクハースト夫人は生涯に10回もハンガーストライキをしたという。
“猫とねずみ法”(Cat and Mouse Act)ってどんな法律?
女性活動家のハンガーストライキはそれでも粘り強く継続されたようだ。展示によると1913年に議会で刑務所規則改正法が成立している。健康を害した受刑者を一時的に釈放して健康が回復したら再び収監する(Temporary Discharge for Illness-Health )という制度である。
この法改正は当局者や政治家がハンガーストライキをそれほど警戒していたという証左であろう。