2024年12月7日(土)

今月の旅指南

2012年2月24日

 イェール大学の考古学者で、映画「インディ・ジョーンズ」のモデルともいわれる探検家のハイラム・ビンガムが、マチュピチュを“発見”したのは明治44(1911)年のことだった。

顔型の頸部を持つ壺 15世紀後半~1532年
レイメバンバ博物館 撮影:義井豊

 その結果、標高2000メートルを超える高地に築かれたインカ帝国の都 “空中都市マチュピチュ”の名は世界的に知られるようになったが、インカ文化が文字を持たなかったこともあり、いまだに多くの謎が残されている。そんな数多くの謎に、考古学、人類学、歴史学などさまざまな角度からアプローチする展覧会が開催される。

 総数約160点におよぶ展示品には、インカ人のミイラや副葬品の人形、色鮮やかな織物や土器、絵画、金銀製品などがあり、往時の人々の生活習慣を垣間見ることができる。一方、530インチの大型立体映像シアターでは、上空から捉えた遺跡の全貌や夕景、さらには500年前の様子を、3Dの実写とバーチャルリアリティーを組み合わせて再現。時空を超えたマチュピチュへの旅を体感できる。16世紀、スペイン人の征服者によって滅亡に至った謎の王国インカの真の姿に触れる格好の機会となるはずだ。


インカ帝国展─マチュピチュ「発見」100年
<開催日> 2012年3月10日~6月24日
<会場> 東京都台東区・国立科学博物館(山手線上野駅下車)
<問> 03(5777)8600
http://www.tbs.co.jp/inkaten/

◆ 「ひととき」2012年3月号より


 

 

      

 
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