2024年11月22日(金)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2019年11月22日

「見返り」から「賄賂」へ

 続々とウクライナ疑惑に関する証言が出る中で、ナンシー・ペロシ下院議長(民主党)はトランプ弾劾戦略を修正しました。これまでは主として「権力乱用」に焦点が当たっていました。

 ところがペロシ下院議長は突然、バイデン親子の調査とその見返りとなった軍事支援提供に関して、「見返りは賄賂である」と主張し始めたのです。ラテン語のフレーズ「quid pro quo(見返り)」には贈収賄の意味が含まれているというのです。

 では、なぜペロシ氏はトランプ弾劾戦略を修正したのでしょうか。

 米合衆国憲法第2条第4節は、「大統領並びに副大統領、文官は国家反逆罪をはじめ、贈収賄、重犯罪や軽罪により弾劾訴追され、有罪判決が下れば解任される」と規定しています。ペロシ下院議長には、トランプ大統領の言動が「贈収賄」に抵触するという明確なメッセージを米国民に発信する思惑があるのでしょう。下院情報委員会のアダム・シフ委員長(民主党)も同様の議論をしています。


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