2024年11月22日(金)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年2月3日

どの州がポイントになるのか?

 民主党候補指名争いでは各候補が50州、コロンビア特別区(ワシントンDC)及び米国自治領の代議員数3979の過半数獲得を目指します。最初のアイオワ州(代議員数41、以下同)とニューハンプシャー州(24)の代議員数の合計は65です。従って、全体の代議員数の僅か1.6%ですが、最初の2戦を落とすと、前述した通り、3戦目のネバダ州(36)及び4戦目のサウスカロライナ州(54)での勝利が不可欠になります。

 3月3日に西部カリフォルニア州(415)を含んだ14州及び自治領で同時に予備選挙並びに党員集会が開催される「スーパー・チューズデー」では、各候補は全体の34%に当たる代議員数1357の獲得を争います。一般にこのスーパー・チューズデーが最大のヤマと言われていますが、3月1日の中西部ミシガン州(125)並びに17日の南部フロリダ州(219)も注目に値します。

 その後に予備選挙が行われる州の中では、4月28日の東部ニューヨーク州(274)及びペンシルべニア州(186)も選挙の行方を占ううえで、重要な州になるかもしれません。

ヒラリーとバイデン

 16年民主党党員集会及び予備選挙において筆者は、研究の一環としてアイオワ州デモイン、ニューハンプシャー州コンコード、テキサス州ダラス、カリフォルニア州サンフランシスコ、ミシガン州デトロイト、フロリダ州マイアミビーチ、ペンシルべニア州フィラデルフィア及びニューヨーク市マンハッタン区にあったクリントン陣営に入り、約3300軒の戸別訪問を実施しました。

 当時、クリントン陣営は「熱狂さ」においてサンダース陣営よりも低く、苦戦を強いられました。その結果、サンダース上院議員は予備選挙でヒラリー・クリントン元国務長官に敗れたものの、23州で勝利を収めました。

 米NBCテレビとウォールストリート・ジャーナル紙の共同世論調査では「熱狂さ」においてサンダース上院議員は、バイデン前副大統領を6ポイント上回っています。社会主義を肯定する若者にとって、中道穏健派のバイデン氏はクリントン氏と同様、夢中になって応援する候補ではないことは確かです。となると、予備選挙でバイデン氏もサンダース氏に劣勢に回る場面が出てくるかもしれません。


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