2024年12月7日(土)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年2月3日

トランプの対民主党戦略

 民主党とは対照的に、共和党は完全に無風状態です。中西部カンザス州、北西部アラスカ州、南部サウスカロライナ州、西部アリゾナ州及びネバダ州の共和党指導部は、州の予備選挙と党員集会をキャンセルし、トランプ大統領支持を表明しました。事実上、共和党候補はトランプ氏です。

 前回の大統領選挙で、トランプ大統領は民主党候補指名争いに介入し、党本部や主流派がクリントン元国務長官に勝たせるために、サンダース上院議員を不利な状況に落とし入れようとしていると主張しました。そして、トランプ氏はサンダース氏に同情を示しました。

 トランプ大統領の狙いは、一体どこにあったのでしょうか。一言で言えば、民主党の分断です。実際、サンダース陣営は民主党全国委員会(DNC)とクリントン陣営の親密な関係に不快感をあらわにしました。その結果、筆者がボランティアの運動員をしていた南部バージニア州フェアファックスにあったクリントン選対には、サンダース支持の若者が姿を見せませんでした。

 トランプ大統領は先月、自身のツイッターに「彼ら(民主党)はバーニー・サンダースに対して、前回の選挙と同じように不正な操作をしている。重要なアイオワ党員集会からバーニー・サンダースを連れ出して、でっち上げの弾劾裁判が終わるまでじっとさせている。気が狂ったナンシー(ペロシ下院議長)はジョー・バイデンに優位性を与えようとしている。バーニーは再び締め出される。非常に不公平だ」と投稿しました。

 その思惑は、バイデン陣営とサンダース陣営を分断させることです。そうなれば、仮にバイデン氏が本選に出てきても、サンダース支持者は協力しないからです。

  
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