2024年11月25日(月)

Wedge REPORT

2020年2月8日

供給過剰の懸念は?

 首都圏では東京オリンピック開催を控えて、新築ホテルの相次ぐ開業、簡易宿泊所の大幅増加などから、ホテルの宿泊は一部では供給過剰になるのではないかと言う指摘も聞こえてくる。このため、特徴のないシティホテルは集客に苦労するのではないかと言う見方もある。

 「ヴィラフォンテーヌ」ブランドのホテルが15店あり、20年春にはこれに羽田空港の「プレミア」「グランド」に加えて、有明に「グランド」クラスの749室のホテルをオープンし、全部で18店になる。このほか大阪梅田駅前にも開業する計画で、桝井社長は「駅や空港とのアクセスの良い場所に多目的で利用できるホテルを作るので、ほかのホテルとは競争力で勝負できる」と自信を見せる。

 現在の店舗は東京と関西が中心で、全国に広げる計画はなく、あくまでも多くの利用客が見込める場所での、街づくりに関与するような開業に絞っている。

 訪日外国人数は18年に3000万人を突破、19年は韓国人旅行者が減るなどしたが、17日に観光庁が発表した年間の訪日外国人数は前年比2.2%増の3188万人(推計値)を記録、史上最高を更新した。政府は20年に4000万人の目標を掲げているが、昨年の後半から訪日数の伸びが鈍化してきており、いまの伸びペースではオリンピック開催による特需があったとしても4000万人には届かない見通しで、さらなる外国人の誘致対策が求められる。

 羽田空港は3月からの国際線の発着枠拡大に伴い、さらに利用者数の拡大が見込まれている。それだけに羽田空港は今まで以上に「日本の玄関口」としての役割を果たすことが期待されている。重要なことはオリンピックという「宴」が終わった後に、新設される羽田空港周辺施設がインバウンド、日本人客を含めてどれだけの人を安定的に集められるかが課題になる。

  
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