2024年4月27日(土)

From LA

2020年3月21日

イーロン・マスクも人工呼吸器を造る

 テスラのイーロン・マスク氏は宇宙航空産業のスペースXに関して「ただちに人工呼吸器の製造を始める用意がある」ともツイートしている。またジャガー・ランドローバーも英政府に対し同様に人工呼吸器の製造により政府を支えることができる、としている。

 自動車メーカーにとって、このような形で工場を再開できれば15万人を超える国内の自動車関連労働者に職を与え、生活を支えることができる、という点も大きい。もちろん労働者側からは職場での感染の危険性など疑問点も呈されるだろうが、シフトを減らす、各労働者の物理的距離を保つ、など企業側が提供できる予防策も当然講じられることになる。

 工場閉鎖に伴い、すべての工場労働者には一時解雇が通達されたが、4月1日から再開できるかの目処は立っていない。それにより職と賃金を失う労働者らの不安も増している。もちろん失業保険は支払われるし、メーカー側も一定の補助は行う、としているが、生活の先行きに不安を抱える労働者は多いはずだ。

 政府によるコロナウィルスが原因の一時的な失業への補償はまだ協議段階だ。ミット・ロムニー上院議員は「国民に一律1500ドルの支援金」の支払いに積極的、と言われており、従来民主党が主張する大きな政府という概念が今回ばかりは共和党にも浸透している。共和党保守派が民主極左のバーニー・サンダース氏のようなことを言い出す、という辺りが、今のアメリカの苦難を象徴しているかもしれない。

 いずれにせよ、現時点ではまだ協議の段階であり、実際に米国の人工呼吸器が大幅に不足する事態に陥るのかはまだ不透明だ。しかし企業が持てるリソースと技術を提供し、国の一大事に協力する、それにより労働者の不安を少しでも取り除く、という姿勢は評価されるべきではないだろうか。

  
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