2024年4月24日(水)

WEDGE REPORT

2020年4月30日

選挙できない理屈を見つける?

 11月3日の本選挙でトランプ大統領との一騎打ちとなるバイデン氏が最近、選挙とは別の警戒心を露わにしていることも見過ごせない。トランプ大統領が劣勢になれば、「選挙の日程を延期する」荒業に出る懸念があるというのだ。にわかに信じがたい話だが、バイデン氏は真剣のようだ。それだけ大統領に対する不信感が強いと言える。

 ニューヨーク・タイムズによると、バイデン氏は昨年11月の時点で「トランプ氏が大統領の座に留まるために行うかもしれないことを懸念している」と早くも警鐘を鳴らし、今年1月には「彼にはまだ10カ月ほどの任期が残っている。今後、何が起こるか神のみぞ知るだ」と警告した。

 バイデン氏は4月23日の資金集めの集会で、「私の言葉に注意してほしい。トランプ氏は選挙をやらせないための何かの理屈を見つけようとすると思う」と述べ、大統領が投票日を延期するか、選挙そのものをやらせないようにする可能性があることを示唆。「それが、彼が勝利すると考える唯一の道だからだ」とまで述べた。

 この発言に対し、共和党全国委員会のスポークスマンは「無責任な主張」と批判しているが、ヘーゲル元国防長官はトランプ大統領がやるかもしれないと人々が恐れを抱いていることを示すものだと説明している。憲法学者たちはたとえ、コロナ・パンデミックのような非常事態であっても、選挙日程を動かす権限は大統領にないとしている。

 バイデン氏の発言は今後の両陣営の中傷合戦が激化することを暗示しているが、28日には同氏が上院議員時代、女性スタッフのスカートに手を入れ、局部をいじったというセックス・スキャンダルが報じられ、バイデン陣営が否定する騒ぎに発展している。

  
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