2024年7月16日(火)

Wedge REPORT

2020年5月21日

イメージアップ

 「最近のケースでは、神奈川県にある相場400万円する孤独死があったマンションを成仏不動産のサイトに100万円で掲載し、間もなく成約できそうだ」という。そうなると、購入者は400万円と100万円の差額分をリフォームやDIYなどに使えるようになる。花原社長は「事故物件でも好立地、低価格の条件が良ければ住みたいという人や、価格の安い分、その差額を使ってDIYで自分の好みに合うようにリフォームするという人もいる」と指摘する。

 同社が行った市場調査によると、「自殺だと悔いが残ってそうな感じがして嫌だが、病死なら最後まで慣れ親しんだ部屋で過ごせたのだと思える」として、それほど気にはしてない人もいる。

 つまり、花原社長は「『事故物件』に対する心理的負担の度合いに応じて、選択肢を提供することが重要だ」とみており、今後は価格の安さだけでなく、リフォームなどを加えて付加価値をつけて「事故物件」のイメージアップを図りたいとしている。

 「今後は高齢者や外国人など、住宅を探すのが難しい人たちのために、『事故物件』を提供できるようなマッチング事業も展開していきたい。アパートのオーナーなどは高齢者には孤独死リスクがあるため貸したくないので、高齢者は借りられるアパートが見つかりにくい。そこで、借主を探すのに困っている『事故物件』のアパートオーナーとマッチングさせることで両方がハッピーになれるのではないか。外国人の場合も同じようなことが言える」と話す。

花原 浩二(はなはら・こうじ)1995年に大和ハウス工業に入社、同期入社の中でトップの成績で2011年に横浜支社分譲住宅営業所所長、15年に同支社住宅事業部次長。16年10月からNIKKEI MARKSの社長。兵庫県豊岡市出身。43歳。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。


新着記事

»もっと見る