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Washington Files

2020年5月18日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

気がかりなのがトランプ大統領支持率

 また、有力メディア・グループMcClatchy Newsのホワイトハウス担当記者が報じた調査結果によると、今年2月下旬の段階で「大統領としての品格、政策混乱」などを理由にトランプ政権に反旗を翻した元共和党連邦議員、党幹部は確認しただけでもすでに「20数人」にも達しているという。その後も、コロナウイルス危機の拡大の対応をめぐり、トランプ政権に対する国民の批判も厳しさを増しているだけに、共和党内からさらに造反の動きが出ることが予想される。

 そこで気がかりなのがトランプ大統領支持率だ。これまでの各種世論調査によると、民主党大統領候補の指名獲得をほぼ確実にしているジョー・バイデン元副大統領が、前回選挙でトランプ氏が予想外の勝利を収めたウイスコンシン、ミシガン、ペンシルバニアなど16の接戦州で5%前後の差をつけリードする一方で、「共和党支持層」に対象を絞った意識調査では、依然として80~90%近くが「トランプ支持」を表明している。コロナウイルス対応で苦境に立たされているにもかかわらず、今のところその岩盤に大きな亀裂は見られない。

 しかしかたや、勢いづく「ネバー・トランパーズ」の動きも決して侮れない。

 この点について、「リンカーン・プロジェクト」チーフ・ストラテジストを務めるリード・ギャレン氏は、前回選挙の際、接戦3州(ウイスコンシン、ペンシルバニア、ミシガン)におけるトランプ氏の対クリントン候補勝差が合計でわずか「7万票」だったことを例に「過去の共和党支持者のうち仮に1%だけでもアンチ・トランプに転向させることができれば、民主党候補勝利は間違いない」と断言している。

 また、前回選挙でトランプ候補とたもとを分かったジョン・ケイシック前オハイオ州知事最高顧問のベス・ハンセン女史も「トランプは今回、共和党内で1%以上の支持を失う可能性が高くなりつつある。11月までには、かつてなく多くの共和党不満分子がトランプに背を向けることになるだろう」と不気味な予測を立てている。

 投票日が近づくにつれてトランプ氏に残された道は、全米各州の「ロックアウト」(都市封鎖)早期解除と経済再開、そしてウォール街株価の大反転しかなくなりつつある。

  
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