2024年4月19日(金)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年7月23日

ウソが混在したトランプのTV広告

 トランプ陣営はバイデン陣営よりも多くのTV広告費をつぎ込んでいるのにもかかわらず、それが支持率に反映されていません。米ワシントン・ポスト紙とABCニュースの共同世論調査(20年7月12~15日実施)によれば、登録した有権者の55%がバイデン支持、40%がトランプ支持で、バイデン氏がトランプ大統領を15ポイントもリードしています。

 トランプ大統領はバイデン前副大統領が警察予算削減に賛成の立場をとっているという内容のTV広告を流しています。しかし、バイデン氏は反対の立場をとっており、トランプ氏の主張は事実ではありません。トランプ氏はウソが混在したネガティブな広告を打っているのです。

 各種世論調査をみると、米国民の最大の関心事は新型コロナ感染拡大です。上で紹介したワシントン・ポスト紙とABCニュースの共同世論調査が、「たとえ経済が打撃を受けてもコロナ感染拡大を制御するべきか。あるいはコロナ感染が拡大しても経済再開を優先するべきか」と尋ねたところ、63%が経済再開よりもコロナ感染拡大を制御するべきだと回答しました。5月18日に発表した同調査の結果と比べると、「コロナ対応」優先派が6ポイント上昇しています。

 トランプ大統領はコロナ感染拡大を制御するための具体策を提示した解決型のポジティブなTV広告を打たない限り、広告費の効果は出ないでしょう。

  
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