2024年11月23日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年7月25日

 CSIS(戦略国際問題研究所研究助手)のSang Jun Leeが、6月15日付の同研究所のウェブサイトで、韓国の諜報・偵察・監視(ISR)能力の強化が、北朝鮮の脅威に備えるためにも、中国の台頭に伴う地域の戦略的課題につき米その他のパートナー国との協力関係を深める上でも重要である、と論じています。

 すなわち、韓国のISR能力の強化には二つの目的がある。第一は、北朝鮮の脅威に対応するためであり、第二には、中国の台頭のような、地域的な戦略課題について米国その他のパートナー国との協力に資することだ。

 韓国のISR能力強化に当たっては、中国の接近阻止・領域拒否(A2AD)戦略のような、地域の潜在的脅威に対して、米国その他のパートナー国とISR面での協力を通じ何処まで連携出来るかを見極める必要がある。

 中国の潜在的脅威に対し韓米日がISR面での協力を深めることは不可欠だ。韓日両国は北朝鮮、中国などについての情報共有の為、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結を目指しているが、韓国は、関心を持つ地域パートナー国の協力を得て多角的なISR網の構築を目指し、情報共有により地域での共同作戦を下支えすべきだ、と述べています。

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 筆者のリー氏は、ジョージ・ワシントン大で国際関係及びアジア研究で学位を得た人物とのことです。対北朝鮮と中国の台頭への備えの両面から、日米韓の軍事面での情報協力強化が、不可欠であることは、論説が指摘する通りです。日韓GSOMIA締結は、そうした文脈において、象徴的な意味を持つものであり、それが、韓国の内政上の都合で延期を繰り返しているのは、残念なことです。


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