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2020年10月20日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

最新技術で試作も

 土で造られた堤防が決壊する事例増えていることから、同省治水課では「最新の技術を試してみるなど、産官学の専門家の知恵を借りながら土堤を強化し、崩れにくい堤防を造ることができないか、技術開発を重ねていきたい」としている。越水に対する河川堤防の強化について産官学で連携して取り組むのは同省としても初めてのことで、治水担当としての危機感の現れとみることもできる。

 今後、「粘り強い河川堤防」を造るには、基本的な要件として、堤防や基礎地盤との一体性、堤防のかさ上げや幅拡張をする際の容易性、損傷した場合や不同沈下に対する復旧の容易性などに留意しつつ、新たな構造物の耐久性、維持管理の容易性、周囲の環境景観との調和、経済性、地域への影響などを考慮しながら進めていきたいとしている。

 国土交通大臣の諮問機関である社会資本整備審議会は7月に新たな水災害対策のあり方を赤羽一嘉国交大臣に答申した。答申では河川の流域の国、自治体、民間の企業、地域住民などあらゆる関係者が流域全体で治水対策を行う「流域治水」の重要性が指摘されている。このため、今後は堤防を強化するだけでなく、土地利用の規制やため池活用などの流出抑制策も検討する必要があり、ソフト面を含めて総合的な治水対策が求められている。

  
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