2024年7月16日(火)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年10月22日

武装集団と知事誘拐未遂事件

 6つのテーマをみる限り、バイデン前副大統領が有利だといえます。バイデン氏は6つのテーマの中で、「安全保障」以外でトランプ大統領に優位に立つ公算が高いです。

 テーマが「人種問題」に移ったとき、バイデン氏は中西部ミシガン州で親トランプ派の武装集団が投票所で「選挙監視員」になって、黒人、ヒスパニック系及び女性に対して嫌がらせを行い、投票を抑制する動きに出ている点を批判するでしょう。

 加えてバイデン前副大統領は「リーダーシップ」で、「トランプ支持者が『刑務所に彼女(グレッチェン・ホイットマーミシガン州知事)を入れろ』と叫んだとき、トランプ大統領は彼らを制することをしなかった。それどころか、『全員を刑務所に入れろ』と扇動した」と議論して、分断を煽る大統領の資質に疑問を投げかるでしょう。ホイットマー知事の誘拐未遂事件に関わった武装集団を明確に糾弾しなかったトランプ大統領を非難することも間違いありません。

 結局、最終回のテレビ討論会で、トランプ大統領は「バイデン一族は腐敗している」を中核のメッセージにして、政策よりもレッテル貼りに討論の時間を費やす可能性が高いです。一方、バイデン副大統領はトランプ氏を「新型コロナ対策で失敗した大統領」として描き、黒人、ヒスパニック系及び女性票を獲得するために、彼らに訴えるでしょう。

  
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