2024年11月22日(金)

WEDGE REPORT

2020年11月5日

「詐欺行為」と根拠なき非難

 トランプ大統領がホワイトハウスの招待者の前に姿を現したのは4日午前2時半前。大統領はフロリダやテキサスを制したことに言及しながら「われわれは勝利するし、はっきり言ってすでに勝った」と一方的に宣言した。さらに根拠を示さずに、「極めてけしからぬ一団によって選挙が盗まれつつある」と主張、「これは国民に対する詐欺行為だ」と決めつけた。

 その上で大統領は、選挙の集計を停止させ、選挙の結果を最高裁の手に委ねたいと述べた。大統領の発言は合法的な集計作業に対する介入であり、自分が優位にある州の開票をそのままで終わらせたいという身勝手な言い分だ。「民主主義を踏みにじる驚くべきもの」(CNN)などと強い批判が出ている。

 大統領の顧問だったクリスティー元ニュージャージー州知事は「悪い政治的決定だ」と語り、共和党の中でも大統領の姿勢に反発が強い。大統領の発言は「負ける可能性が出た場合には法廷闘争に持ち込んでもホワイトハウスに居座る」(アナリスト)という懸念を浮き彫りにしており、勝敗の判明が長期化、泥沼化する恐れが現実のものとなった。

 バイデン氏はトランプ氏が登場する1時間前に東部デラウエア州ウエリントンで支持者の前に現れ、「全ての票が数えられるまで選挙は終わらない。選挙の勝敗を宣言するのは私でもトランプ氏でもない。米国民が決めることだ」と述べ、トランプ氏の一方的な勝利宣言をけん制した。同氏はさらに「われわれは今の開票状況に満足している。ウィスコンシン、ミシガンでは好感触を得ているし、ペンシルベニアでも勝つ」と語った。

  
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