WEDGE REPORT

2020年11月10日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

サンダース議員の〝入閣〟も

 国務、国防と並んでやはり女性の就任がささやかれているのが財務長官だ。ラエル・ブレイナード元財務次官が有力視されている。オバマ政権のガイトナー財務次官のもとで金融危機の処理に当たり、現在はFRB(連邦準備制度理事会)でコロナ対策担当理事のポストにある。 

 バイデン氏と2020年の予備選を争ったエリザベス・ウォーレン上院議員が起用されるとの予想もある。

 国連大使に、やはり2020年予備選の初期に旋風を巻き起こしたインディアナ州サウスベント市長、ピート・ブティジェッジ氏が国連大使に任命される可能性が指摘されている。注目される人選によって、バイデン新政権の国際協調路線回帰を印象付けようという思惑ともみられている。

 同様にバイデン氏と予備選を争い、今なお若年層に強い人気のあるバーニー・サンダース上院議員を閣内で処遇し、中道の次期大統領と左派の融和を図るという憶測もなされている。その場合、労働長官などのポストが検討されているというがどうか。 

安保補佐官は対北朝鮮強硬派?

 一方、新大統領を身近で支えるホワイトハウスの陣容をみると、大番頭ともいえる首席補佐官は、バイデン副大統領時代に補佐官の任にあった側近から起用される可能性が強い。ロン・クレイン、スティーブ・リシエッティ、ブルース・リード各氏らの名前が取りざたされている。

 国家安全保障問題担当の補佐官には、国務長官候補としても名前のあがっているブリンケン氏が回る予測もある。同氏は北朝鮮に対しては厳しい見方をしていることから、核・ミサイル問題に対する新政権の方針がどうなるか焦点となる。 

 国家経済会議(NEC)委員長には、バイデン副大統領時代の経済担当補佐官ジャード・バーンステイン氏らが有力視されている。

知日派のキャンべル氏も?

 知日派の誰が政権入りするかが日本にとって大きな関心事だが、オバマ政権で東アジア・太平洋担当の国務次官補、クリントン政権で同じ担当の国防次官補代理だったカート・キャンベル氏が政権復帰するとの見方もある。

 ブレイナード元財務次官の夫君であり、夫妻での政権入りが実現する可能性もある。

 バイデン氏が上院外交委員長時代に、東アジア担当の政策部長として補佐したフランク・ジャヌージ氏の政権入りも取りざたされている。同氏は日本の世界平和研の客員研究員、慶大客員講師の経験があり、ポストにもよるが日米の同盟強化にはうってつけの人選になろう。

 菅首相はバイデン次期大統領への祝意表明のなかで、「日米同盟の強化、インド太平洋の平和と安定促進のため米国と共同で取り組んでいきたい」と述べた。バイデン政権の全容がどうなるか日本政府として、強い関心をもって見守ることになろう。

  
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