WEDGE REPORT

2020年11月10日

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共和党のしたたかな知恵

 当確となったバイデン氏が政権移行に向けて準備を進める一方で、トランプ氏はバイデン氏が勝利した6州で訴訟を起こしており、9日も東部ペンシルベニア州で新たに提訴した。トランプ陣営は同時に「勝敗はまだ確定していない」「選挙は全く終わっていない」「新大統領を決めるのはメディアではなく、合法的な票だ」という国民に向けた宣伝トーンを決めた。

 週明けになって共和党もトランプ氏を支援する言い回しを巧みに作り上げた。マコネル上院院内総務の発言で明確なように、トランプ氏の「選挙が不正に盗まれた」との主張に賛同したり、反対したりせず、「トランプ氏には裁判所に訴える権利がある」ことを強調、トランプ氏側に立った印象を見せつけるやり方だ。突き放した言い方をすれば、「不正があるのなら、証拠を示して争えばいい」ということだ。

 この背景にはトランプ氏が7152万票を超える得票を獲得し、バイデン氏(7616万票)と互角の支持を集めたため、大統領の主張を無視できないとの判断がある。大統領の「不正選挙」という主張に与せず、大統領を擁護して見せる共和党の“したたかな知恵”と言うことができるだろう。このため、上院共和党に限って言えば、表面的には議員3人がバイデン氏を祝福しただけで、大勢はトランプ氏支持の形勢にある。

 しかし、ワシントン・ポストが大統領側近の話として伝えるところによると、「トランプ陣営内には、訴訟で勝敗がひっくり返るとの期待はほとんどない」のが現実だ。大統領もそうした厳しい見通しは知らされており、大統領らの間で「2024年の次期大統領選挙への再出馬宣言」も取り沙汰されたという。

  
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