2024年2月27日(火)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年11月13日

トランプはなぜ敗北宣言をしないのか?

 バイデン前副大統領は20年5月、米ケーブルニュースMSNBCのインタビューで、「もし大統領になったらトランプに恩赦を出さないし、捜査の邪魔もしない」と述べました。ただこの時、バイデン氏はトランプ氏が、同年11月の大統領選挙で7200万票も獲得するとは想像できなかったでしょう。

 トランプ大統領は大統領特権によって守られていますが、敗北宣言を行うと、来年1月20日に民間人になります。周知の通り、トランプ氏には中国における秘密口座、大統領の地位を利用した利益誘導、不倫女性に対する「口止め料」など、実に様々な疑惑が存在します。

 仮に起訴され有罪になった場合、トランプ大統領は恩赦が必要です。そこで、トランプ氏が敗北宣言と恩赦の取り引きを、水面下でバイデン陣営にもちかける可能性は決して否定できません。つまり、敗北宣言を恩赦を得るためのディールの材料にする訳です。

 分断社会の融合を目指すバイデン前副大統領は、7200万人のトランプ支持者を軽視できないことは明らかです。バイデン氏にとっても、「敗北宣言と恩赦のディール」は魅力的なはずです。

 ただ、バイデン氏は社会の団結と共に、民主党内の融合という問題も抱えています。特にアレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員(東部ニューヨーク州)を先頭に、左派がトランプ氏の恩赦に猛反発することは確かです。

 加えてバイデン氏と同じ民主党中道穏健派で、同氏のスタッフであったジェリー・コノリー下院議員(南部バージニア州)は、筆者の取材に対して、「バイデンがトランプに恩赦を与えることはあり得ない」と明言しました。

 仮にバイデン陣営が恩赦に関して探りを入れても、トランプ陣営は肯定的な回答を得られず、ディールは不発に終わるかもしれません。

  
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