2024年4月20日(土)

WEDGE REPORT

2021年1月17日

トランプ氏、就任式の朝フロリダへ

 ペンス氏は15日、次期副大統領のハリス氏に電話し、引き継ぎの協力を申し出た。両氏が話すのは昨年のディベート以来初めてで、ペンス氏は副大統領公邸にハリス夫妻を招くことも検討しているという。ペンス氏は大統領就任式にも出席する予定で、就任式をボイコットするトランプ氏とは対照的な対応を見せている。次期大統領の就任式に出ない大統領はトランプ氏が史上4人目。

 敗北をなお認めていないトランプ氏にとって就任式欠席は当然の帰結かもしれないが、同氏は当初、就任式をボイコットし、退任後の拠点となるフロリダで大集会を開催、24年の次期大統領選出馬へのキックオフにしようと考えていた。しかし、議会襲撃事件で、身内の共和党からも厳しく批判され、下院で弾劾訴追を受けたことで、計画の変更を余儀なくされた。

 AP通信などによると、大統領は就任式の朝、アンドルーズ空軍基地からエアフォースワン(大統領専用機)でフロリダまで旅立つ予定。大統領として最後の威厳を保つべく、離任式には赤じゅうたんが用意され、軍の楽団演奏、21発の礼砲で見送られるとされるが、新しい船出を祝う華やかな就任式とは真逆の寂しいものになりそうだ。

 トランプ大統領は事件後の13日、暴力を非難する動画を公表した以外、公の場には姿を見せていない。ニューヨーク・タイムズによると、大統領は弾劾についても、「事実上、誰も擁護してくれなかった」などとショックを受け、怒りと孤立感を深めている。独裁者として君臨してきただけに、権力の座から滑り落ちる悲哀をいまさらながら噛みしめているに違いない。

 特にペンス氏や共和党上院のマコネル院内総務らに激怒しており、また最後まで側近として振舞った顧問弁護士のジュリアーニ氏に対しても、選挙結果をひっくり返すことができなかったことで反感を強め、同氏の弁護費用を支払わないよう、また、これまで払った分についても返還を要求するよう指示したと伝えられている。

  
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