2024年4月26日(金)

WEDGE REPORT

2021年1月28日

「人のせいにするな」次期国務長官を一喝

 外交委員長として、国務長官に指名されたコンドリーザ・ライス女史を一喝したのも忘れられない。

 2005年1月、ブッシュ政権(子)2期目の発足にあたって、大統領はライス国家安全保障問題担当補佐官を国務長官に指名した。

 同委員会での公聴会にのぞんだライス女史は、2001年の同時多発テロを防げなかったことについて、各国の情報機関から十分な協力が得られなかったなどとくどくどと弁明を重ねた。バイデン氏は「あなたは、すべて他人のせいにしている」と強い口調でバッサリ。

 ブッシュ側近ナンバー・ワンのライス女史もさすがに圧倒されたのか、シュンとなって、「たしかにわれわれの努力も足りなかった」などと反省の言葉を口にし、その後は威勢のよさが消えてしまった。

 外交委員長としての貫禄、自信を示し、議場をうならせた場面だった。

 実力議員の剛腕を示したとして語り草になっているのが1993年、ボスニア・ヘルツ゚ェゴビナ紛争が苛烈を極めていた時、セルビアを訪問、ミロシェビッチ大統領に対し、「あなたは戦争犯罪人だ。法廷で裁かれるべきだと思う」と面罵したことだろう。

 アメリカは世界のリーダー、セルビアはバルカンの小国とはいえ、上院委員長が大統領に面と向かって犯罪者呼ばわりするのだから、その度胸はみあげたものだ。

 ミロシェビッチ氏は実際、その後、ハーグの国連旧ユーゴ戦争犯罪特別法廷に、ボスニアのイスラム教徒虐殺、コソボ紛争でのアルバニア人虐殺の罪で起訴され、2006年拘留中に病死した。

 この時のバイデン発言がミロシェビッチ訴追に影響を与えた可能性もある。


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