バイデンの「中産階級のための外交」とは?
第3に、中産階級のための外交です。サリバン大統領補佐官の言葉を借りれば、バイデン政権は「ゴールドマン・サックスが中国市場に参入するのを助ける外交」をしません。大企業ではなく「中産階級の生活及び安全を向上させる外交」を行うと言うのです。
ホワイトハウスでの記者会見で、サリバン氏は米国の労働者に害を与えている中国のダンピング(不当廉価)、企業への補助金、知的財産権の窃盗及び為替操作が対象になると明かしました。中国は米国における中産階級の生活向上のための最大の標的です。トランプ前大統領の中国が米国を搾取してきたという指摘は正しかったということになります。
バイデン大統領の支持基盤は中西部の中産階級の労働者です。バイデン氏はトランプ前大統領との相違を明確にしていますが、実はこの点では類似しています。バイデン外交を皮肉って言ってしまえば、「米国の労働者第一主義」となります。
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