「議事堂襲撃を忘れるな」
レッテル貼りの効果なのか、昨年11月の米大統領選挙で激戦州であった南部ノースカロライナ州で7977人、西部アリゾナ州で9300人、東部ペンシルべニア州で1万2404人の共和党員が、1月に離党しました。西部コロラド州でも約4600人の共和党員が同党を去り、米立憲党などに移りました。
2月9日に上院で始まったトランプ弾劾裁判で、検察官役を務める9人の民主党下院議員の「弾劾管理人」が、極右の過激派が議会議事堂を襲撃する様子を13分の映像にまとめて流しました。翌10日の弾劾裁判では、弾劾管理人は議会乱入事件で暴徒のリーダー格であったプラウド・ボーイズの幹部を紹介しました。
その意図は、議事堂乱入事件を陪審員役の上院議員及び、有権者に思い起こさせ、民主主義が崩壊寸前まで追い込まれた事実を再認識させることです。
民主党はグリーン下院議員を標的にして、同議員と過激な極右団体及び「トランプ共和党」をリンクさせて議論を行う機会を得ました。そのうえで「真珠湾を忘れるな」及び「9.11を忘れるな」のスローガンように、22年秋の中間選挙に向けて「議事堂襲撃を忘れるな」のメッセージを発信していけば、共和党員の数をさらに削ることができるかもしれません。
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