「ワクチン格差」につけ込む中国
なぜ、中国製ワクチンが世界に普及するのでしょうか。
第1に、中国が「ワクチン格差」につけ込んでいるからです。富裕国が米国及び英国が開発したワクチンを買い占める一方で、中所得国並びに貧困国は確保できません。ワクチンが公平に配分されず、ワクチン格差が生じました。そこに中国がつけ込み、戦略的にワクチン供給を行っています。
第2に、中国製の新型コロナウイルスワクチンが標準的な冷蔵庫で保管できる点が魅力的であると言われています。これに対して、米ファイザー製ワクチンは、超低温の冷蔵庫での保管が必要です。
第3に、当然と言えば当然ですが、ジョー・バイデン米大統領が国内のワクチン接種を最優先したからです。バイデン大統領は政権発足後100日で1億回分の接種を数値目標として掲げました。
すでに30日余りで5000万回分の接種を終えました。60日で1億回分の接種目標を達成できるハイペースです。バイデン氏は5月1日までに全成人を接種対象にするように州政府に要請します。
加えて、バイデン大統領は米上下両院における1.9兆ドル規模の追加経済対策法案(通称「アメリカ救済計画」)の可決にエネルギーを注ぎました。その間、中国は自国製ワクチンの供給に時間を費やしていたのです。