2022年10月5日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年1月25日

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 1月7日付の台湾の英字新聞Taipei Timesの社説は、リトアニアによる事実上の台湾大使館の開設に対する中国の嫌がらせは失敗に終わるだろうと指摘するとともに、台湾はリトアニアを助けることで外交的に貴重なものを獲得できる、と述べている。

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 バルト三国の一つリトアニアが昨年11月に、首都ビリニュスに事実上の台湾大使館に相当する代表所を設置した。この措置は中国から強い反発と報復措置を招くことになった。Taipei Timesの社説は、リトアニアの行動を高く評価するとともに、中国からの種々の威嚇や報復に対し、台湾としては結束してリトアニアの行動を支持・支援することを訴えるものである。

 リトアニアの行動がリトアニア一国に終わるのか、他の国々にも波及することとなるのか今の段階では明瞭ではないが、社説の興味深い点は次の通りである。

 中国と外交関係を有するリトアニアにとって、台湾との間で事務所を設置しようとすれば、通常は駐ビリニュス「台北経済文化代表所」という名称にするであろう。しかし、今回、リトアニアは、首都に設置する事務所に「台湾代表所」という名称を使用することを決定した。

 北京は直ちにリトアニア駐在の大使を召還し、中国企業によるリトアニア製品の輸入禁止などを決定した。さらに、中国に駐在するリトアニア大使館員の中国駐在を認めないとの措置を取った。このように外交的、経済的に圧力をかけるという報復措置は中国の常套手段であり、とくに驚くには値しない。

 リトアニアから中国に輸出される予定になっていたラム酒2万本は宙に浮いたが、台湾の専売公社がこれを直ちに購入した。台湾当局は中国側のやり方に慣れていることもあろう。

 昨年、中国側が台湾産のパイナップルを輸入禁止して台湾を威嚇したとき、台湾の消費者はわずか4日間で4万トン強の台湾産パイナップルを買い求め穴埋めしたことがある。これに呼応するように、日本でも台湾産パイナップルの輸入を増大させた。

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