2024年2月21日(水)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2022年4月18日

青山集団の正体

 さて、それでは青山集団とは、どのような企業なのだろうか。青山集団の創業者である項光達氏は、ステンレス鉄鋼の売上を短期間に急拡大してレジェンドとなった人物だ。中国の未曾有の建築ブームでステンレス生産が好調に展開したこともあったが、素原料に必要なニッケル鉱石についてもインドネシアをはじめ、世界の鉱山資源の権利を買い占めてきたところに大成功の秘密がある。

 項光達氏は、中国の国内のシェアを増やすと同時に輸出も増やしながら世界シェアも拡大させた。生産量を増やせば増やすほど価格競争力が増えるため、前も後も見ずに凄いスピードで生産額を増やした結果、なんと年間1200万トン(国内シェア4割、世界シェア2割)のステンレス粗鋼生産を実現するにいたった。

 なお、中国のステンレス粗鋼生産量は2020年に3013万9000トンと前年比2・5%増え、過去最高を記録。5年連続で増えて3000万トンを初めて超えた。今後も世界生産の6割近くを占める見込みだ。新型コロナウイルス禍の影響からいち早く脱し、鉄道や都市交通、空港のインフラ整備や自動車・家電など国内需要が急拡大した。能力増強が進む中、今年も内需と輸出が堅調に推移する見通しから、粗鋼生産はさらに増える公算が大きいと予見されている。

 こうした中、中国政府の一帯一路の戦略に合わせて、青山集団は全世界に市場を広げていく方針と戦略を持っている。国内では中小の鉄鋼メーカーとの過当競争に陥っており、青山集団としては、人口の多いインドやインドネシアへの拡販を進めている。

 そもそも鉄鋼の技術やステンレスの技術は全て戦後補償の一貫で日本が技術移転したものだが、日本のメーカーが青山集団のような事件を起こすことはもちろんなかった。

 次回は、電気自動車(EV)市場や電池市場や電子材料市場についてウクライナ戦争以降の予測について報告したいと思う。

   
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