地域課題を共有し
〝住民力〟を引き出す
専門職に委ねるばかりでなく、住民や企業、そして高齢者自身が主体となって自らが住む地域の将来を考える。これまでみてきた3つの事例には〝キーマン〟となる人物が存在した。では、彼らがいなくなった後もその仕組みを維持し、継続していくためにはどういった視点が必要なのか。
法政大学現代福祉学部の宮城孝教授は「行政や医療介護の専門家が地域の〝住民力〟を引き出そうとするアプローチが重要だ」と述べる。
「自らが住む町のために汗を流そうとする住民は必ず存在するので、SNSや地元コミュニティなどのネットワークを通じて地域の現状や課題を共有し、熱意ある住民の行動を同じ目線で支援する意識を持つべきだ」
多くの自治体が財政難に陥る昨今、行政や専門機関が住民の要望を一方的にかなえる存在であり続けるには限界がある。互いの役割を生かして共生しようとする住民の意志に寄り添い、引き出す――。超高齢化社会を支える〝活力〟はわれわれが暮らす地域の足元にこそ見出すべきかもしれない。
『Wedge』2021年5月号で「昭和を引きずる社会保障 崩壊防ぐ復活の処方箋」を特集しております。
2008年をピークに、日本の総人口は急降下を始めた。現在約1億2500万人の人口は、2100年には6000万人を下回り、半分以下となる見込みだ。人口増加を前提とした現行の社会保障制度は既に限界を迎えている。昭和に広げすぎた風呂敷を畳み、新たな仕組みを打ち出すときだ。
特集はWedge Online Premiumにてご購入することができます。
2008年をピークに、日本の総人口は急降下を始めた。現在約1億2500万人の人口は、2100年には6000万人を下回り、半分以下となる見込みだ。人口増加を前提とした現行の社会保障制度は既に限界を迎えている。昭和に広げすぎた風呂敷を畳み、新たな仕組みを打ち出すときだ。
特集はWedge Online Premiumにてご購入することができます。