必要となるロシアの嘘を暴き立てること
これに関連して、4月9日付の英Economist誌は、「ウクライナでの残虐行為。ロシアの戦争犯罪人は裁判にかけられないかもしれない。それでもこの調査はする価値がある」との社説を掲載している。
この社説は的を射た良い社説である。ロシアの戦争犯罪を追及しても誰も裁判にかけることにはならないかもしれないが、戦争犯罪の調査は続けられるべきであろう。
今回のウクライナ戦争においては、ロシアは民間人を標的として攻撃を行っており、ロシアの攻撃はそれ自体として戦争犯罪にあたる。
ベトナム戦争の際のソンミ村での虐殺は戦争の狂気の一部とも考えられるが、今度のロシアの攻撃は民間人を恐れさせること、それでウクライナ人を支配下に置くことを主目的にしている。米国の外交評議会会長のハースは、ウクライナでは二つの戦争が行われている、一つはロシア軍の民間人、施設への戦争であり、今一つがウクライナ軍のロシア軍への戦争であると言っているが、その通りである。
民間人の避難民がこれほど多く出た戦争はないように思うが、これはその反映である。ロシアはナチスのゲッベルスと同じく、嘘も百回言えば、真実になると信じているように思えるが、ロシアのウソを暴き立てる事は重要であるし、この戦争の結果、プーチンが失脚すれば、この社説の最後に書いていることが現実化することもありうる。そのことを希望しつつ、戦争犯罪調査を継続すべきだろう。