ベラルーシのルカシェンコ体制はロシアという外部からの援助で存続しており、国内的には脆弱である。ロシア・ベラルーシ同盟の弱い輪と言ってよい。これに圧力を加えるようにすべきである。
成功を願うとともに疑念も持つ
ルカシェンコ政権の外相が「われわれはベラルーシがウクライナでの敵対行為に関与しているとの仄めかしを断固拒否する」との書簡を欧州連合(EU)の一部外相に送ったと言われるが、これはベラルーシがロシアと一定の距離を置こうとしていることを示す。ベラルーシはロシアの侵攻についてロシアから多くの情報を得ているに違いなく、その成功を願うとともに、その成功に疑念を持って来ているとも思われる。
地図を見れば分かる通り、キーウへの再侵攻をロシアが企てる際、北方から行うにはベラルーシ領を通過しなければならない。ベラルーシの状況は注意を持ってフォローする必要がある。
なお、上記のワシントン・ポスト社説は、ウクライナが民主主義のために戦っていると言うが、ウクライナは生き残りのために戦っていると考える方が適切であろう。