普及のカギはできないことを認めること
では、ロボット掃除機を、はじめての掃除機として普及するのだろうか? 私は、普及させるには、もう一つ必要な要素があると考える。それは、「できないことがあると認めること」だ。
iRobot社も似た考えを持っており、「ルンバ・パラドックス」と名付けている。こちらは、情報がユーザーに伝わった時点で情報が止まることに由来する。ルンバの情報が一番伝わったのは2010年ごろまでであり、その時点の古い情報でユーザーが判断するために生ずる誤解のことを言っている。
私は、それだけではないと思っている。掃除の成果、クリーン度に関しては基準が一人一人異なる。つまりメーカーが幾ら口を極めてきれいになりますよと言ってもユーザーは鵜呑みにしない。私自身、ルンバを使っており、ほとんど問題はなく、掃除し直すこともない。しかし、それでもよくよく見ると、「もうちょっと」というところもある。その状態に対する考え方だ。
iRobotは「ユーザーに、床掃除を忘れさせたい」という理想を持っている。そのためにパーフェクトを強調しがちだ。実際、90点以上の点を挙げられると思う。しかし、この手のものに100点はない。私も必要に応じて、スチームクリーナーを年に数回併用しているし、「コロコロ」も月に数回使う時がある。パーフェクトなんてことはない。
ロボット掃除機=特殊から、掃除機の一つであり、「かなりレベルが高くなった」というアピールができれば、「i2」は、初めての掃除機にもなれるし、真のブレイクモデルになるのではないだろうか。
「初めて買った私の掃除機は、ロボットでした」。新モデルi2はそんな時代を予感させるモデルでもある。
【訂正】「ルンバ i3」「ルンバi2」も、同じiシリーズで、価格も1万円差。この1万円の差は、デジカメ搭載の差だ、としていたましたが、間違いでした。訂正してお詫びいたします。