2023年1月31日(火)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2022年7月24日

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樋泉克夫 (ひずみ・かつお)

愛知県立大学名誉教授

中央大学法学部、香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士後期課程を経て外務省専門調査員として在タイ日本国大使館勤務。著書に『華僑コネクション』『京劇と中国人』『華僑烈々―大中華圏を動かす覇者たち―』(以上、新潮社刊)など。

[著書]

 バイデン米大統領は7月13日から16日にかけてイスラエルとサウジアラビアを訪問し、対するにプーチン露大統領は19日にイランを訪問し同国の最高指導者のハメネイ師やライシ大統領、さらにはトルコのエルドアン大統領と会談を重ねる。

 米露両国大統領の外遊がどのような成果を上げたのか。それを判断する術を筆者は持ち合わせてはいない。だが、日本が安倍元首相を襲った悲劇に困惑している間に国際社会で見られた一連の動きから、米中露の最高首脳はウクライナ戦争の推移を横目で追いながら〝戦後〟を想定し、新たな国際秩序を模索して動き出したと判断することは可能だろう。

求められる「五つの大陸と七つの海を基準」としての外交

 国内で突発した大事件に強い関心を払うことは当然ではある。だが国際社会の中で主体的立ち位置を占めながら進むべき日本の将来像を描こうとするなら、国際社会の新たな枠組みを求めて繰り広げられる関係諸国間の虚々実々の駆け引きに最大限の関心を払ってしかるべきだ。それが、半世紀昔のニクソン・ショックで味わった苦い経験から日本が学ぶべき教訓だと考える。

 「われわれが現在直面している問題は、あまりにも広く相互に連関しているため、それを説明しようとすると、五つの大陸と七つの海を基準にして考えなければならない」とは、1941年1月に在京米国大使館宛に送ったF・D・ルーズベルト大統領の一節である。

 いま日本に求められているのは安倍外交が掲げた「地球儀を俯瞰する外交」を超えて、「五つの大陸と七つの海を基準」にした地球を俯瞰する外交でなければならないはずだ。

  
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