2022年10月6日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年8月22日

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 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙のチャールズ・フッツラー元中国支局長が、8月4日付のWSJに「台湾周辺での中国の演習は中国の戦略について示唆を与える。侵攻ではなく、封鎖がその意志を通すより危険ではない方法でありうる」との記事を書いている。

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 フッツラーの記事は、8月4日から始まった4日間の台湾周辺での中国軍の軍事演習を、専門家の言葉等を引用して分析し、中国の台湾併合は、正面からの軍事侵攻よりも、海上封鎖による台湾隔離によってなされるのではないか、とするものである。それへの準備が米国や台湾に出来ているか、との警笛も鳴らしている。記事の要点は以下の通りである。

 中国は台湾を屈服させるために、直接侵攻よりも、台湾周辺の海域を支配し、貨物船や航空機を遅延、麻痺させるような方法を軍事演習した。台湾は先進的半導体の生産者であり、このような行動は、台湾経済と世界との結びつきを中断させる危険がある。

 「グレイ・ゾーン」タイプの紛争は、地域諸国に対してよく中国が使うやり方である。中国の漁船は中国の沿岸警備隊や海軍に支援され、隣国の船を圧倒した。台湾は中国のサイバー攻撃の対象にもなった。中国は、ペロシ米下院議長の訪台に対して、台湾の柑橘類などの輸入を制限をして圧力をかけた。

 中国は今や、船舶量で米国を上回り、対潜水艦戦でも進歩した。台湾が中国の侵攻に脆弱かもしれないとの懸念もあり、米国内でより多くの半導体チップを生産させる法案が米国議会で成立した。

 今年初め、ガラガー下院議員は、台湾をめぐる米中の軍事バランスは中国有利になってきていると警告した。彼は、台湾をあらゆる封鎖に対し強くすることを呼びかけ、台湾が食料と水の適切な供給を確保することを米国が確実にすべきと言う。ランド研究所は、さらに薬品と石油の備蓄を示唆している。

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