日本文化には大きな
アドバンテージがある
晩年、ゴールドラット博士は「企業の成功にとって最も重要な要素は『人間関係』だと気付かせてくれたのは日本人だ」と語った。社員のモチベーションや社員同士のコラボレーション(つながり)こそが肝要だという日本に根付いた「和」の文化こそが、彼に感銘と新たな気付きを与えたのである。
イノベーションはもはや1人の天才だけでできるものではない。多くの人のモチベーションとコラボレーションが必要である。日本にその土壌があること自体が大きなアドバンテージであることは確かであり、学習能力の高さは日本人の秀でた能力の一つだ。「科学者のように考える」ことを実践し、因果関係を突き詰める思考力と論理力を磨く。
そうすれば日本企業は自然と世界をリードするような確たるイノベーション大国になると確信している。その確信は、日本企業の現場に接する度に高まるばかりである。
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かつては日本企業から世界初の新しいサービスや商品が次々と生み出されたが、今や見る影もない。その背景には、「選択と集中」という合理化策のもと、強みであった多くの事業や技術を「諦め」てきたとの事実が挙げられる。バブル崩壊以降の30年、国内には根拠なき悲観論が蔓延し、多くの日本人が自信を喪失している。だが、諦めるのはまだ早い。いま一度、自らの強みを再確認して、チャレンジすべきだ。
かつては日本企業から世界初の新しいサービスや商品が次々と生み出されたが、今や見る影もない。その背景には、「選択と集中」という合理化策のもと、強みであった多くの事業や技術を「諦め」てきたとの事実が挙げられる。バブル崩壊以降の30年、国内には根拠なき悲観論が蔓延し、多くの日本人が自信を喪失している。だが、諦めるのはまだ早い。いま一度、自らの強みを再確認して、チャレンジすべきだ。