2022年11月28日(月)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年6月6日

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伊藤慎介 (いとう・しんすけ)

株式会社rimOnO 代表取締役社長

1999年に旧通商産業省(経済産業省)に入省し、自動車、IT、エレクトロニクス、航空機などの分野で複数の国家プロジェクトに携わる。2014年に退官し、同年9月に超小型電気自動車のベンチャー企業、株式会社rimOnO(リモノ)を設立。2016年5月に布製ボディの超小型電気自動車”rimOnO Prototype 01”を発表。現在は、CASEやMaaSなどモビリティ分野のイノベーション活動に従事。KPMGモビリティ研究所アドバイザー、東京電力ホールディングス株式会EV戦略特任顧問などを兼務。

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 「本気でイノベーションを起こしたいのであれば、まずわれわれ自身が変わるところから始めるべきではないか」。そう言われたのは15年前くらいだろうか。私がまだ経済産業省の官僚だったとき、日本発で世界に負けないイノベーションを起こすにはどうしたらよいかと議論していた際にある人が発した言葉だった。

 この発言が契機となり、私は数年後に経産省を退官して電気自動車(EV)のベンチャー企業を起こすことになる。

 起業してから7年半が経過し、役所だけでなくベンチャー、大企業、中小企業、大学などのさまざまな世界に身を置いてみると、日本社会のイノベーション力が低下したのは「安定志向」こそに原因があるように思う。

 安定志向が蔓延すると、社会や企業における変革の力は大きく失われる。日本経済の屋台骨を長年にわたって担ってきた電機産業はパソコン、携帯電話、テレビ、オーディオ、太陽電池、半導体と数多くの分野で世界市場のシェアを失った。

 代わりに台頭したのがGAFA(GAMA)に代表される米西海岸発のインターネット企業、韓国サムソン、台湾TSMC、中国華為技術(ファーウェイ)などに代表されるアジアのデジタル系メーカーだ。彼らの勝因は複数あるが、デジタル化とサプライチェーンのグローバル化という大変革に対して攻めの経営姿勢で臨んできたことが一番大きいのではないかと思う。

 安定志向は働き手自身の能力を制限することにもなる。

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