2024年12月22日(日)

勝負の分かれ目

2022年11月2日

 猛牛軍団が12球団の頂点に立った。2022年の日本シリーズはオリックス・バファローズが東京ヤクルトスワローズを4勝2敗1分で下し、26年ぶり5度目の日本一を達成した。昨年の同シリーズで辛酸をなめさせられた因縁の相手に今年は1分を挟む2連敗から4連勝を決め、見事に雪辱を果たした。

(時事)

 その日本一達成から4日後の11月3日。チームは大阪市内の御堂筋で開催される「大阪・光の饗宴2022開宴式」に参加し、盛大な優勝パレードを実施する。同日午後5時から始まる「御堂筋イルミネーション」に合わせ、中嶋聡監督や選手らが豪華なパレードカーに乗って集まった人たちと喜びを分かち合う。ファンにとってはシーズンが終わっても喜びの余韻に浸る「おりほー」の日々がしばらく続きそうだ。  

主砲・吉田正尚はMLB挑戦か

 さて、そのオリックスは今オフのストーブリーグでも〝台風の目〟になろうとしている。まず最大の焦点はチーム主砲の吉田正尚外野手が今オフ、球団側にポスティングシステムによる米大リーグ(MLB)挑戦を申し入れ、容認される可能性が高くなっていることであろう。

 かねてから将来的なMLBへの移籍願望があることを契約更改交渉の場で球団フロントに打ち明け、公の場でも幾度となく口にしている。同じ右投げ左打ちでフィラデルフィア・フィリーズの主砲ブライス・ハーパー外野手に強い憧れを抱き、愛犬に「ハーパー」と名付けるなど〝MLBマニア〟であることも自認しているほどだ。

 一方のオリックス側も大目標だった日本一達成の「報奨」の意味合いも込め今オフのタイミングでチーム功労者・吉田の夢を叶えようと本人から申し出を受け次第、快く送り出す方針を固めている模様だ。

 すでにMLB複数球団のスカウトたちも今オフのポスティング容認を想定し、今年のレギュラーシーズン中からネット裏で吉田の一挙一動をチェックしていた。日本代表・侍ジャパンの常連で国際試合の大舞台にも強く、昨夏の東京五輪では中軸としてチームの金メダル奪取にも大きく貢献した「日本プロ野球(NPB)所属の最強左打者」に興味を示す球団は「少なくとも5球団以上」(MLB関係者)とされ、ポスティング申請が行われれば争奪戦になるとみられている。


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