森は名門・大阪桐蔭高校出身で実を言えば小学生時代にはオリックス・バファローズジュニアチームに所属し、捕手兼投手として活躍していた。ジュニアチームながら〝オリックスOB〟の経歴もある。「森の契約交渉を行う代理人もオリックスの大物コーチと近い関係」との情報もあり、森の出身地・大阪をフランチャイズとしている点を見てもオリックスは確かに大きくリードしそうな雲行きだ。
森だけではない。オリックスは今季海外FA権を取得し、今オフの行使が決定的となっている日本ハム・近藤健介外野手の獲得も視野に入れ、本格調査を開始している。プロ11年間の通算打率で近藤は3割7厘と圧倒的な高打率を残しており、19、20年と2年連続で最高出塁率の個人タイトルを獲得している〝北の天才打者〟だ。ちなみにオリックスにとって中嶋監督が日本ハムで現役、バッテリーコーチとして在籍していた時代から近藤と師弟関係を保ち続け、今もホットラインを築いているところはかなりの強みだ。
盤石なチーム体制確立へ
「こうした数々の利点を生かし、今オフのオリックスが森と近藤の〝ダブル獲得〟を成功させるシナリオを予想する声はかなり多い。オリックスは他に今オフ、捕手の伏見寅威が取得した国内FA権を行使する可能性が出てきているが、もし他球団へ出て行くにしてもMLBに移籍する吉田も含め2人の穴埋めは森と近藤の加入によって十分ペイできる」(オリックスOB)
沢村賞を2年連続で受賞したエース・山本由伸投手を筆頭とした屈強な先発陣に加え、12球団屈指の鉄壁リリーフ陣も誇るオリックス。常勝軍団を目指し、抜かりのない戦力補強によって来季は野手陣に新たな顔ぶれを揃えてリーグ3連覇、日本一連覇を狙う。
日本一の喜びもそこそこに今オフ、主砲離脱への「危機管理」と「攻めの姿勢」も崩さず両立させているオリックス球団の編成スタイルにビジネスパーソンも共感する部分は大きいのではないだろうか。