2024年4月27日(土)

田部康喜のTV読本

2022年11月26日

 桂木は、黒崎が御木本を狙っているのを知っていながら、御木本が絡む詐欺の案件の情報を黒崎に与えて、詐欺で集めたカネを〝食わせる〟のだった。詐欺師業界のフィクサーである、桂木(三浦)に集まってくる詐欺師たちの情報によれば、御木本はすでに業界の仁義を守らない、ルール破りでなりふりかまわない状態になっており、ここでつぶそうという考えになったのである。

騙し、騙され合いの展開

 ついに、御木本が裏で仕掛けていた、M&A詐欺を黒崎が食ったために、御木本は上海に逃れて、上海マフィアの資金を当てにして、再起しようとするまでに追い込まれた。

 ♯5(11月18日)に至って、「上海にいって、御木本をつぶしてこい!」と、桂木(三浦)から命じられた、黒崎は、上海の「レッド・ドラゴン」と「キング・タイガー」のふたつのマフィアの大組織を相手にしながら、桂木の任務を果たそうとする。

 桂木の命令は過酷だった。

 「レッド・ドラゴンは、マネーロンダリングを担ってもらってきたが、キング・タイガーとの関係も修復したい。御木本をつぶすのと、キング・タイガーとよりを戻すことのふたつ、できるな」と。

 御木本は、手元資金で20億円はあるが、レッド・ドラゴンからM&A詐欺のために50億円を借りていた。しかし、その返済の期日は迫っていて、そのめどは立たなかった。

 そこで、レッド・ドラゴンへの支払いのために、別から100億円借りる交渉をする。交渉の結果、御木本の手元資金の20億円を銀行の口座に入金すれば、100億円を借りるところまでこぎつけた。

 しかし、この仕掛けをしたのは、黒崎だった。御木本が預けた20億円の預金に対して、偽の預金証書を銀行には発行させて、彼がレッド・ドラゴンに渡せば、破滅に追い込める、という筋書きだった。

 銀行に現れたのが、御木本本人ではなく、部下の垣根(金井勇太)だった。「彼が殺される!」と叫ぶ、黒崎。御木本が銀行に向かう直前に電話がかかってきて、本人が銀行にいけなくなったというのである。

 黒崎は直観する。桂木(三浦)に電話して「御木本を銀行に行けなくしたのは、オヤジだろう」と。


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