2024年4月26日(金)

田部康喜のTV読本

2022年11月26日

 御木本は、今度はもう一方のマフィアであるキング・タイガーに100億円借りる交渉をする。

 そして、黒崎はまた、御木本を罠にかける。待ち合わせを約束させ、上海の公安の刑事と御木本が出会う映像をスマホで仲間に送らせてキング・タイガーの首領に見せるのだった。

 御木本はついに、追い込まれた。逃げ込んだのは、自らが宿泊していたホテルの隣部屋だった。

 御木本 もう逃げきれない!さあ、ころせ!(拳銃を渡す)ただ、(部下のめがね)これだけは日本にもって帰ってくれ。俺と一緒ではな。

 黒崎  殺しはしない。

 黒崎が部屋を出て、廊下を歩いていると、一発の銃声が聞こえる。御木本は自殺したのだった。

脇を固める名優たち

 平野の演技は、前作の山下のクールさと比べると、感情をむき出しにする瞬間がある。可憐な堀北真希に対して、黒島結菜は理知的に平野に向かっていく。

 そして、ついには「あなたが詐欺師だということについて、私はもうなにもいわない。いいとも悪いとも。ただ、あなたがたったひとりじゃないことをいつも覚えておいてね」と。

 ドラマの前半で、宿敵の御木本をつぶした、黒崎だったが。

 御木本の最後のセリフ「本当の敵は俺で終わりじゃあない。後は自分で探せ」という謎の言葉が、後半の山場になるのだろう。

 本作は、わき役陣の演技もまた、素晴らしい。桂木(三浦)の菓子店の店員にして、フィクサーの助手役ともいえる、早瀬かの子役に中村ゆり。個人的ながら中堅の女優のなかで、舞台も見にいくファンである。

 黒崎とひとつの詐欺で組んだ、シロサギの白石陽一(山本耕史)。いうまでもなく、前作のヒロイン・堀北真希の夫である。キャスティングにも遊び心がある。

 桂木の裏のカネの銀行口座を実質的に管理している、ひまわり銀行執行役員・宝条兼人役に佐々木蔵之介、氷柱(黒島)の父親役で詐欺に何度もあっている父親の辰樹役に船越栄一郎。

 ドラマは、後半からでも十分に楽しめるだろう。   

   
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