6)米国と日本は同盟国同士の明確な危機管理手続きを定めておく必要がある。また、日米は、軍事衝突がエスカレートしないよう、中国と有効なコミュニケーションを持つようにする。
7)日米両国は、日本の南西地域の防御を強化するための防衛協議や共同訓練を行う。
8)米国は、国連海洋法条約を批准すべきである。
と、述べています。
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上記のスミスの提言は、日米同盟関係の維持が最優先であるとしながら、日中間の平和的解決を論じています。全体としては、バランスのとれた心強い内容となっています。
注目すべき点は、尖閣諸島ないしその周辺で緊張を高めるような措置をとらないことを日中双方に働きかけるとして、日本に対しては、中国が武力で島嶼を奪い取ろうとしない限り、島に人を居住させたり、兵力を配備したりしないことを提案しています。この提案については、尖閣諸島が日本固有の領土であり、現に日本の有効な支配下にあるとの大前提の下で、日本の政策判断の問題として対応することとなります。それは、「棚上げ」の合意によるものではないことは言うまでもありませんし、あくまでも「中国が武力で島嶼を奪い取ろうとしないこと」が前提条件となります。
そして、尖閣諸島に近接する沖縄県の南西諸島の防衛体制を強化することは、このような対応と矛盾しないものです。
米国研究者たちは一般に尖閣諸島の領有権の歴史的・法的側面について議論することを避ける傾向があり、スミスの論文も例外ではありません。したがって、日本としては、多くの論拠の中でも、特に、1)中華人民共和国及び中華民国(台湾)が領有権を主張し始めたのは、1971年以降であり、それまでの76年間(1895-1971)に渡り、日本の領有に対し一切の異議申し立てを行ったことがなかったこと、2)米国施政権下に置かれた一時期(1945-1972)を除き、尖閣諸島は日本の有効な支配のもとに一貫して置かれてきたこと、を内外の世論に繰り返し発信、説明する必要があります。島の環境変化に応じ、ある時はアホウドリの羽毛採取のため人々が居住し、またある時には200人以上の人たちが居住しカツオ節工場で働いていた歴史的事実などはほとんど知られていません。
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