2024年11月22日(金)

Wedge REPORT

2023年1月21日

【コラム1】日本の都市を丸ごと3D化する「プラトー」とは何か?

 国土交通省が2020年から始めた「PLATEAU(プラトー)」では、3年間で日本国内の約140の都市が3D都市モデルを作成した。プラトーはオープンデータであり、パソコンから「プラトービュー」で3Dデータを見ることができる。

 都市の立体地図という点では、「グーグルマップ」や「グーグルアース」をイメージする人が多いが、プラトーでつくられた3Dデータは、建物一つひとつに情報を追加することができるといった特徴がある。しかし、3Dデータをつくるとなると、気になるのは、そのコストだ。プロジェクト発足から携わる都市政策課の内山裕弥課長補佐は「ゼロベースでCGをつくれば、膨大なコストがかかる。ただし、プラトーでは、自治体が持っている地図や航空写真といったデータを活用している。盛り込むデータにもよるが、政令指定都市規模の都市でも、数百万円で作成することは可能だ」と語る。

 もともと、都市データの3D化は、欧州連合(EU)が先行してきた。ここでは、都市計画だったり、環境アセスメントといった用途で使用されるのが主流だ。これに対して日本では独自の動きが見られるという。

「プラトーに興味を持ったエンジニアの人々が、使い方について互いに情報交換をするようなコミュニティーができた。われわれも開発のチュートリアルを発信したり、全国でハッカソンを開いたりすることで、プラトーに触れるきっかけづくりを進めている。

 結果として、多くの映像作品、ARアプリで使用されるようになったり、今ではVJ(ビジュアルジョッキー)がライブで流す動画素材として使ったりすることが起きた。多様なアイデアが出て来ることが日本の特徴であり強みだ」(内山さん)

 23年1月20日には「プラトー・スタートアップ・ピッチ」が開催される。プラトーのデータを使用したビジネスモデルのアイデアを、スタートアップが競うというものだ。「27年を目標に500都市の3D都市モデル整備を目指す」と内山さん。このデータは、まさに宝の山だ。


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