岸田文雄首相にとってはいやな展開だろう。
支持率が低下しているところに、側近の木原誠二官房副長官に疑惑ありと週刊文春が繰り返し報じ、秋本真利前外務政務官(自民党を離党)の汚職疑惑も明るみに出た。騒ぎが広がっているにもかかわらず、両氏とも国民に対する詳しい説明を避け続けている。秋本氏は釈明のしようがないのかもしれないが、不可解なのは木原氏だ。
本人だけでなく、捜査当局も疑惑を否定しいているのだから正々堂々と疑いを払拭すればいい。岸田首相をはじめとする政府側からも促す動きは見られない。
これでは、説明できない事情があるのではないかという憶測を呼びかねず、岸田内閣にとってはかえって打撃になるだろう。
秋本氏、政務官辞任、離党ですますのか
東京地検が捜査に乗り出した秋本氏の収賄疑惑は、8月4日、各メディアによって報じられた。
洋上風力発電の会社から陳情を受け、国会質問で参入事業者の審査基準見直しなどを求め、3000万円にのぼる資金供与を受けていたという。秋本氏の議員会館事務所、洋上風力発電の会社がそれぞれ地検特捜部の家宅捜索を受け、氏は捜索直後に政務官を辞任し、自民党を離党した。
衆院議員、政務官は公人中の公人なのだから、自らに票を投じてくれた有権者、国民に早急に経緯を詳らかにし、潔白ならなら納得のいく説明をする必要がある。氏はそれをせず、衆院議員の職にとどまったままだ。
捜査の対象になっているから言動に慎重を期したいというのなら、国民に対してその旨を伝え、捜査終結など適当な時点で説明することを約束すべきだろう。捜査中を理由に口をつぐんでいいということにはなるまい。