2024年11月25日(月)

Wedge OPINION

2023年5月1日

 心地よい春風に混じって〝解散風〟もかまびすしくなってきた。ただ、衆院議員の任期折り返しまで間がある中では、いかにも早い。

国会では「解散」の2文字が飛び交っている( Korekore/gettyimages)

 統一地方選後半戦と同時に行われた衆参5選挙区の補欠選挙結果を踏まえ、自らに有利なタイミングを推し量ろうという議員心理が伝わってくる。憲政の常道に従えば、国民の信を問うべきか、その判断を仰ぐ必要がある時にこそ、解散・総選挙は断行されるべきだ。

 多額の予算を使ったうえ、自らの勢力拡大だけをもくろむ党利党略の解散などごめん被りたい。迷惑するのは、審判結果を利用される有権者だ。

メディアも〝風〟に呑み込まれ……

 永田町あたりから吹いてくる風は、4月23日の統一地方選後半と同時に行われた衆参補欠選挙のあと、一気に強まった。無批判に選挙熱を煽るメディアも、永田町という特殊な土俵に知らず知らずのうちに乘ってしまっているようだ。

 「解散戦略 増す不透明感」(朝日)、「解散論 支持率カギ」(読売)、「解散見通せぬ辛勝」(毎日)など、投票翌々日の各紙は一斉に解散問題を伝えた。解散・総選挙はつねに政治における最大問題であるだけに、それをめぐる党内の動きを報じるのは当然だが、解散熱に浮かされている与党内の現状を諫める社説はみられない。

 解散・総選挙については、自民党内は早期に打って出るべきだという積極論と、先送りすべきだという慎重論に割れているという。


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