過去の多くは前回選挙から3年前後
過去のケースを振り返ってみると、総選挙から次の解散までの期間は、内閣不信任案が可決された場合など一部例外を除いて、短い場合で2年余だが、3年前後が多い。
毎回、そこに至る経緯や政治状況などをもとにネーミングが行われるが、ひざを叩きたくなるような秀逸な呼び名もあれば、何のことやら判然としないものも少なくない。
首相の野党議員を罵倒したことが原因だった「バカヤロー解散」、(1953年、吉田茂内閣)、与党議員のスキャンダルに端を発した「黒い霧解散」(66年、佐藤栄作内閣)、郵政民営化をめぐるはげしい論争に決着をつけるための「郵政解散」(2005年、小泉純一郎内閣)などは国民をうなずかせた。内閣不信任案が可決されたための「ハプニング解散」(1980年、大平正芳内閣)も言いえて妙だ。
一方で、安倍晋三元首相が自ら名付けた2017年の「国難突破解散」、麻生太郎内閣の「政権選択解散」(09年)などはよく理解できない。「そろそろ」という雰囲気に乗ったため、ずばり「ムード解散」(1963年、池田勇人内閣)と呼ばれたケースもあった。
前回の解散からまだ1年半。任期を半分以上残し、信を問うべき政策課題、大義名分もない中で、解散・総選挙を強行すれば、後世の人はどんな呼び名を奉るのだろう。