特筆すべきは、コンバージョン率の高さです。無料会員の20%以上が有料会員に移行するそうです。インターネットサービスとしては非常に高い数字です。アクティブ率も高く、9割以上になるそうです。ユーザーから支持を集めている証左と言えるでしょう。
レコード会社およびアーティストには売上の60%が分配されます。作詞作曲者(著作権使用料)は、国ごとのルールによりますが、5~10%が別に分配されます。
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また、ストリーミングサービスは、ユーザーと音楽の接触時間を増やし、音楽市場全体を活性化する機能があるという調査結果が出てきました。
Spotifyのお膝元スウェーデンでは、下落を続けていた音楽市場が、2012年に上向きました。ドイツも2013年上半期に10年ぶりにプラス成長したというデータがでています。これらは、ストリーミングサービスの効果であると言われています。CDが音楽流通の中心であるドイツでの変化は日本にとって注目です。
ストリーミングサービスには、インターネットラジオ型もあり、個人の嗜好に合ったリコメンド力が高い2億人超の会員を持つ米国PANDORAなども、注目を集めています。
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ドイツの音楽市場が10年ぶりにプラス成長、2013年上半期はデジタル貢献 で1.5%増加
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日本の音楽市場の可能性
ガラパゴス化する日本の現状と、グローバルなトレンドから、どのような将来像を描けばよいのでしょうか?
配信市場が沈んで、周回遅れのように見える日本の音楽市場ですが、実は、未来へのバイパスが見えています。楽曲を自分のデバイスにダウンロードして聴くというのは過渡的な仕組みだったことがわかってきました。技術の進歩による必然的な変化として、クラウド上にある音楽にアクセスして楽しむというのが、常時接続とスマートフォン普及の時代の一般的な形になります。