2024年11月22日(金)

都市vs地方 

2024年1月15日

石川県の住宅の状況

 各地の住宅の状況について得られる資料としては、『住宅・土地統計調査』(総務省統計局)があげられる。この調査は1948年以来5年ごとに実施しており、直近の調査は2023年である。ただし、23年調査の結果はまだ公表されておらず、現状で入手可能な調査結果は、18年のものである。以下では、この18年の結果を用いることとする。

 表3には持ち家について全国、石川県、石川県内の各市・町別に住宅の数の様子が示されている。表では、このうち(1980年以前建築の旧耐震基準のうち耐震工事済み+81年以降の新基準)÷総持ち家数で本稿定義の耐震対応比率を算出した。

 これを見ると、耐震化対応の割合は、全国で69.7%、石川県平均で63.4%とやや全国を下回っていることが分かる。さらに、石川県内の市・町内では輪島市、珠洲市における耐震対応比率が低いことわかる。

  表1にも示した通り、輪島市、珠洲市における被害の大きさは、地理的に震源地に近かったこともあげられるが、表3に示した結果での耐震対応の比率の低さも少なからず影響しているのではないかと推察される。

  地震によって発生する住宅への損害を填補するための方法としては「地震保険」が存在する。石川県の各市と郡部についての地震保険の付帯率(当該年度に契約された火災保険(住宅物件)契約件数のうち、地震保険を付帯している件数の割合)を2022年について調べたものが表4である。

 表4を見ると、今回被害の多かった輪島市、珠洲市で高い付与率となっており、最近時点での防災意識の高まりを見てとることができる。


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