2024年7月14日(日)

脱炭素・脱ロシア時代のエネルギー基礎知識

2024年2月10日

グテーレス事務総長「地球沸騰」発言の意味

 昨年7月に国連のグテーレス事務総長が「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」とスピーチしたことは、大きく報道されました。

 地球温暖化の研究を行っている「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、温暖化問題に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から評価を行うことを目的として、1988 年に設立された国連の機関です。

 世界の多くの研究者が関与し、定期的に報告書を作成しています。最新版の第6次評価報告書の統合報告書が昨年3月に発表されています。筆者も、2013年から14年にかけ発表された第5次評価報告書の査読者として指名され関与しました。

 UNFCCCに基づく締約国会議(COP)も毎年開催されています。国連は温暖化の議論の中心の場になっています。その立場から「沸騰」との言葉が出てきたとも考えられます。温暖化問題は、国連の機関が活躍し、注目を浴びる場なのです。

持続可能な発展のために必要なことは?

 「持続可能な発展(Sustainable Development)」あるいは「「持続可能性(sustainability)」」という言葉を良く聞きます。

 持続可能な発展の定義として最も有名で一般的に理解されているのは、国連「環境と開発に関する世界委員会」(ブルントラント委員会)の報告書にある「将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、現在の世代のニーズを満たすような発展」というものです。

 地球環境を維持し将来世代に渡すことは重要なことですが、私たちの世代のニーズも満たす必要があります。脱炭素を進め、化石燃料の消費削減を進めればエネルギーコストは上昇し、物価を押し上げます。

 地球温暖化にCO2の排出が影響を与えているのは確かだと思いますが、地球温暖化については、分からないこともまだ多くあります。一方、物価が上昇すれば、その結果私たちのニーズは満たされなくなるかもしれません。

 温暖化問題は重要ですが、温暖化対策にかける費用を私たちのニーズに影響を与えない範囲に留めることが望ましいのではないでしょうか。

 日本は、相対的に世界の中で成長せず、日本人の平均収入も世界の中で落ちています。いま大きな資金を不透明とも言える未来に使用することは私たちを持続可能でなくする可能性があります。

 人類は今までも問題を解決してきました。私たちはもっと楽観的に考えるべきだと思います。問題解決の知恵は、これからも出てくるはずです。

 
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