2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年4月3日

互いの失った票を狙う

 バイデンは共和党の3分の2とされるMAGA派をトランプから引き離すことはできない。しかし、バイデンは裕福な生まれではなくモノ文化を知り尽くしていることを機会あるごとに強調し、バイデン政権の政策がいかに共和党多数の州にも恩恵をもたらし、インフラ整備や雇用をもたらしているかを訴えることにより、残り3分の1の共和党支持者と無党派層の票を狙うことになる。

 トランプは、20年の選挙で得られなかった高教育レベル、女性、都市郊外の有権者の票なくしては勝てないが、今のところこうした人々を引き込む努力は見られない。一方、民主党支持が多数である非白人の中で保守的思想(家族重視、反中絶など)を抱く人々の民主党離れが進んでいる。バイデンはイスラエル対策で若者の票も失っている。

 こうした結果、バイデンとトランプのいずれも嫌う「ダブルヘイター」は世論調査によって17%から24%と非常に高い(20年には5%前後だった)。

 絶対バイデン、絶対トランプでない有権者をどう引き付け、投票所に向かわせるか。第三の候補の影響、トランプの訴訟の行方、具体的政策では移民対策、中絶・IVF(体外受精)といった女性の選択する権利への姿勢等が票を動かしそうである。

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