2024年6月17日(月)

Wedge REPORT

2024年4月8日

 日本の企業は、1980年代から90年代にかけて、円高を背景に、生産コストの低い海外、特にアジア地域への工場移転を進めました。現地の安い労働力が利益の源泉だったわけですが、ここにきて、人件費が大きく高騰、進出する日本企業の利益を圧迫しています。

(bee32/gettyimages)

 アジア各国で賃金が上がる一方で、日本ではすでに見たように、賃金が上がらずほぼ横ばいということもあり、日本に製造拠点を移す海外企業も増えてきています。つまり、日本の労働力が海外に買われるようになっているのです。

労働者にとってはメリットも?

 日本の労働力が世界から注目される理由は、高い質がありながらも手ごろな価格であることです。年功序列制度が残る日本企業では、若手は能力があっても賃金が低く抑えられていることがあり、格安で獲得できるケースが多くなっています。また、熟練した技術者もお買い得となっています。

 日本の労働力が買われることはどのように考えればいいのでしょうか。

 メリットとデメリットがあります。メリットとしては、海外企業が日本に進出することで、雇用が生まれ、人々の所得が増加し、消費や税収が増加する可能性があります。

 また、海外企業が高い賃金で日本人労働者を雇えば、日本企業も人材獲得のために賃金を上げる必要が出てきます。企業にとっては厳しい話ですが、労働者にとってはプラスの話です。海外企業との競争は経済の新陳代謝を上げ、経済成長を促進する効果も期待できます。


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