2024年7月15日(月)

BBC News

2024年7月11日

フィリピンで非合法病院が、逃亡者や詐欺グループの構成員らに整形手術を提供し、逮捕を逃れる手助けをしていた。当局が明らかにした。

警察の報道官はBBCに対し、首都マニラの南郊パサイ市にある非合法病院を5月に家宅捜索したと説明。さらに、同種の2施設が「今後数週間のうちに」閉鎖される可能性があると述べた。

2カ月前のパサイ市の非合法病院の捜索では、植毛や歯のインプラントの器具、肌を白くする点滴などを押収したという。

フィリピンの大統領組織犯罪対策委員会(PAOCC)のウィンストン・ジョン・カシオ報道官は、「こうした器具からまったく新しい人間を作り出すことができる」と語った。

当局によると、現在監視下にある二つの非合法病院は、パサイ市の非合法病院の4倍の規模があるとされる。

こうした病院の顧客には、フィリピンで違法に働いているオンラインカジノの関係者も含まれていると、カシオ氏は言う。

フィリピンで「POGO」と呼ばれるオンラインカジノは、賭博が違法である中国の利用者にサービスを提供している。

しかし警察は、電話詐欺や人身売買といった犯罪行為の隠れみのとして、POGOが使われてきたと指摘している。

パサイ市での家宅捜索の際には、3人の医師(ヴェトナム人2人、中国人1人)と中国人薬剤師1人、ヴェトナム人看護師1人が逮捕された。全員、フィリピンでの就労資格は持っていなかった。

当局は、広さ約400平方メートルのこの施設で血液透析装置も発見しており、整形手術以外にもさまざまな医療行為が行われていたことがうかがえる。

「外見は普通のクリニックのようだが、中に入ると、その技術の高さに驚かされる」とカシオ氏は話した。

「これらPOGO病院は、身分証明書の提示を求めない。患者は逃亡者かもしれないし、フィリピンの不法滞在者かもしれない」

パサイ市の非合法病院の存在を当局が知ったのは、情報提供によってだった。

POGOは、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領の政権下で繁栄した。ドゥテルテ氏は2022年までの6年間の任期中、中国との友好関係を築くことに努めた。

しかし、後任で現職のフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は、POGOが犯罪に関係しているとして取り締まりを強化した。

「マルコス大統領は、フィリピンが『詐欺の拠点』とみられることを望んでいない。詐欺組織が世界中の大勢の人々標的にしていることを理由に、それらの組織を追及するよう指示を出している」と、カシオ氏は語った。

フィリピンの入国管理局は2022年12月、自分だと気づかれないために整形手術を受けたとされる中国人マフィアの容疑者を逮捕した。このようなケースこそ、非合法病院が関連している可能性があるとカシオ氏は述べた。

(英語記事 The secret hospitals offering criminals new faces

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c0w4deqr23go


新着記事

»もっと見る